悪疫をすみで避けたのが起源の「すみつけ祭」


すみつけ祭は、群馬県玉村町の上福島地区で毎年2月11日に行われる健康を祈願する祭りです。1971年には町重要無形民俗文化財に指定されています。
埼玉県の玉敷神社の御神体と天狗のお面を借り、祭りの日は、天狗の面をつけた人を先頭に、御神体を持った人、太鼓を持つ人と続きます。その後ろには顔に炭をつけた大人や子供達が歩きます。地元の各家をまわると、大根につけた炭を家人の顔につけます。炭をつけられた人は、その年、風邪や悪病などをしないで済むとされます。この時に使う炭は、昔は鍋や釜などについていたものを利用していましたが、現在では消し炭を使うようになりました。
300年前の江戸時代、名家の下女が鍋を持ちながら歩いて転んでしまい、顔にその鍋のすみがついてしまったという出来事がありました。この下女は病にかかることなく、一人だけ元気に過ごすことができました。それがすみつけ祭の由来となったといわれています。
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