門松ではなく杉を飾る!?神功皇后ゆかりの「生田神社」


兵庫県神戸市の生田神社の祭神は稚日女尊です。その名は「稚く瑞々し日の女神」を意味し、アマテラスの和魂や妹神とも言われ、機殿で神服を織っていたことから、ものを生み育て、万物の成長を加護するとされています。
3世紀はじめ、神功皇后による三韓征伐(さんかんせいばつ:3世紀はじめ頃に神功皇后が朝鮮半島に対して行ったとされている戦争のこと)の帰途、今の神戸港付近で船が進まなくなりました。そこで占いを行ったところ、稚日女尊が現れて「私は活田長峡国に居りたい」と申されたので、海上五十狭茅(うながみのいさち)を神主として祀ったのが生田神社の始まりです。
806年、お供えやお世話をして生田神社を守る家である「神戸(かんべ)」44戸が与えられました。これが神戸の始まりだといわれています。
生田神社では新年の準備に門松ではなく「杉盛り」を飾ります。約1200年前の水害で倒れた松の木によって社殿が倒壊したという伝承が残り、松は不吉なものとされているからです。生田神社の杉盛りはたくさんの杉の枝をくくり、サカキやススキで飾ったものが使われます。12本のしめ縄で楼門と杉盛りを結び、
12ヶ月と12支の繁栄を祈ります。
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