災厄の除去を祈った「祇園祭」


祇園祭は、7月1日から31日まで、京都市の八坂神社で行われる祭礼です。
昔、京都で疫病が流行し多数死者を出した時、当時の国数である六十六本の矛を立て、御霊の呪いを断ち切る御霊会を行ったことが、祇園祭の始まりと言われます。その後も、疫病が流行すると行われ、祇園御霊会と呼ばれるようになります。
時代を経て、町の人々が進んで参加する祭りの色合いが強くなります。室町時代には、現在では祇園祭の代名詞ともいえる山鉾があったとされます。より盛大に、華やかな山鉾が登場したことで祭りの規模も大きくなりました。
1000年以上を経て、今も華やかに盛り上がります。かつて悲劇的な出来事に端を発して行われた催しが、今は人々の心を浮き立たせる祭りとして行われています。過去を踏まえることで、祇園祭への新しい見方が生まれます。
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