砂をかけ合う奇祭「砂かけ祭」


砂かけ祭は、奈良県北葛城郡の廣瀬大社で2月11日に行われます。
境内に竹と縄で囲われた田んぼに見立てたエリアが作られ、牛に扮した氏子と牛遣いが苗を植える動作をします。参拝客は、田植えに必要な雨がよく降るように祈願しながら、牛役などに砂を盛んにかけます。砂のかけあいが激しいほど、雨がよく降り豊作になるとされます。儀式の終了後、参拝者には松の葉で作られた松苗と、田の字を描いた田餅が撒かれます。松苗は、田んぼの水の取り入れ口に刺して発芽と豊穣を祈ったり、玄関口に刺して厄除けとします。田餅は食べて無病息災を願います。
祭の歴史は古く、約1300年前に天武天皇が奈良に水神を祀り、五穀豊穣を祈願する祭として始めたのが起源とされています。廣瀬大社の祭神が水神であることから、砂を雨に見立てており本来は御田植祭と言われます。
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