揉め事から祭りへ発展「伊万里トンテントン祭り」


伊万里トンテントン祭りは、佐賀県伊万里市の伊萬里神社御神幸祭で行われます。毎年10月に3日間行われ、別名伊万里くんちと呼ばれることもあります。
「トンテントン」と太鼓を打ち鳴らすのを合図にしてあらみこしとだんじりが激突し合う喧嘩祭りです。最終日の川落しでは、荒神輿と団車が組み合った状態で川に落とされ、少しでも早く陸へ引き上げられたほうが勝ちとなります。あらみこしが勝てば豊作、だんじりが勝てば大漁に恵まれると言われています。
あらみこしは、楠木正成の祖を祀り豊穣を祈願する香橘神社から、だんじりは足利尊氏に縁があり、豊漁を祈願する戸渡嶋神社から出されています。どちらも荒魂を祀っており、あらみこしは朝廷に参ずるという意味を持つ「チョーサンヤ」、だんじりは「アラヨーイトナ」という掛け声をかけながら進んでいきます。祭の由来は、故事になぞらえ、楠木方をあらみこし、足利方をだんじりとした合戦祭りになったとされています。
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