信長の父・信秀の菩提寺「桃巌寺」


名古屋市千種区にある桃巌寺は織田信長の父親・織田信秀を開基としており、寺の名称も信秀の法名・桃巌道見大禅定門から取られています。信秀の菩提を弔うために桃巌寺を建立したのは信長の弟の信行で、建てられた当時の桃巌寺は信行の居城・末森城の南部にあり、現在の地には江戸時代に移されました。
織田信長には父・信秀の葬儀の際に仏前に抹香を投げつけるという有名なエピソードがありますが、この際、正装で礼儀正しく振る舞っていた弟の信行に家臣らの期待が集まったことも遠因となり、後年信長によって命を絶たれることになります。
桃巌寺は、織田一族ゆかりの寺という以上に片手で触れるだけで過去の罪業が消えるとされる直径1メートルの日本一巨大な木魚や、年2回御開帳される眠り弁天、緑色が鮮やかな、高さ15メートルの名古屋大仏で名を馳せる寺院となっています。この大仏は目や唇、耳に金箔が施され蓮の台座ではなく十頭の像が本尊を支えています。
昭和50年代後半に信者により建立が計画されました。1988年開催されるオリンピックの開催地に名古屋市が立候補したことから開会式に開眼供養をする予定でしたが、この計画は無くなりました。
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