平安遷都1100年に市民の情熱で創建!「平安神宮」


京都市左京区にある平安神宮は、1895年、平安遷都1100年を記念して開催された博覧会の目玉にするため、当時の大内裏の一部を復元しようと計画し第50代桓武天皇を祭神として創建されました。
平安神宮を建てたのは京都の人々です。都の移転、人口減少など幕末の混乱で京都市内は荒れ、なんとか復興させたいという市民の熱い思いがありました。まず実際に都があった場所に建設しようとしましたが土地の買収に失敗しました。それでもあきらめず、当時は郊外だった岡崎に八分の五の規模で復元されました。
1940年には皇紀2600年の行事が行われ、平安京最後の天皇の孝明天皇が祭神に加えられました。この時から平安京の創始者、桓武天皇と最後の天皇、孝明天皇の二本柱が祀られています。
平安神宮の神苑には社殿の周りに4つの庭園があります。総面積は1万坪で、明治を代表する造園家、小川治兵衛らが平安京の造園技法を結集し20年余りをかけて造りました。
谷崎潤一郎の「細雪」で紹介されている紅しだれ桜、源氏物語などの平安時代の書籍に記される「平安の苑」、豊臣秀吉に造営された三条大橋を五条大橋の橋脚を使った「臥龍橋」の石柱、京都御所から移築された「泰平閣」など、様々な雅と粋が広大な庭園に広がります。
※ 各記事の情報は取材当時のものです。